自ら考える子を育てたい 地方在住母の育児日記

子育ての失敗から学ぶこと 高校1年の娘と小学4年の娘

理系から文系への決断②

数3をあきらめた長女。

この時点で夢は大きく変わってしまった。

もともと長女は医師になりたいという夢をもっていた。

私が否定しなかった、長女の大きな夢である。

医師家庭でもない我が家が医師を目指すには無理があった。はたから見れば鼻で笑われるような夢だったかもしれない。

長女は決して地頭は良くない。ただ、誰よりも勉強を頑張ることができた子だった。

だからこそ、なおさら、これだけ努力をするのならば奇跡が起こるかもしれないと思ってしまった。

なんとか進学校へ入学し、理系クラスには入ったものの、努力だけでは理系科目を理解することができなかった。

今思えば次女は地頭が良く、理系科目をすいすいと解いてしまう。

地頭が良くないが努力家で夢を抱く長女と地頭が良いが努力をしない夢も抱かない次女(笑)

この差はなんなんだろう・・

あ~、地頭・・逆だったらよかったのにな~ってたまに思ってしまう(笑)

 

高校3年生の夏ころには医学部は到底無理と本人が気づき、本人が志望学部を検査技師に変えました。

なぜ、検査技師なの?って聞いたら、

不妊症の人を助けたいからと。長女は不妊治療をして人工授精で授かった子です。

私はかつて長女にどうやって生まれてきたのかを話したことがありました。

 

この世にはどんなにお金があっても、買えれないものがある。それが赤ちゃんであると。子供がほしくてほしくてたまらなかった私は当時、赤ちゃんを見ることができなかった。ベビー服売り場も見るのが辛かった、精神がものすごく不安定であったこと、しかし妊娠に成功したとわかったときは今までで一番うれしかった事を長女に話しました。もし医師になったら産婦人科の先生になると長女は言っていたのです。

そしてその医師が無理なら不妊症の人を助ける別の仕事を自分で調べたのでしょう。それが検査技師でした。

 

しかし、数3をあきらめたことにより国立大学で検査技師がとれるところはとても少なくなってしまい、この時点で検査技師もあきらめなければいけなくなりました。

 

この時点で英語、数学(IA、ⅡB)国語、理科(物理・化学)地理を勉強していましたが、ずっとできない数3をしていたため、古文・漢文・地理はほとんど受験勉強が回っていなく、主な得点源は英語と現代文だけでした。(なぜか現代文は得意だった。理系で一位とかあったくらいで)そして、理科も半分ほどしかとれない状況でした。

 

そして長女はここから驚くほどに理科の成績が落ちていきます。

特に物理が取れなくなっていきました。

 

もう冬前です。

私は焦りました。

何がダメなのか?そう、共通テスト模試がダメなのです。とことんダメなのです。

共通テストは思考力が問われるテストです。暗記だけできてもとれないのです。

英語は語学だから暗記だけでもなんとかなります。

でも、その他の科目は思考力がないと難しいのです。

 

このままでは、どこにもひっかからないと思いました。

共通テストそのものをあきらめて、私大に変更しようと思いました。

私大・・・長女は考えたこともなかった大学。

長女の行っている高校は全員国立大学を目指して頑張ろう!という国立一本のような高校だっただけになおさらでした。

それでも、私立大学は学費が高いという事は知っていたようで、高い私大には行ってはいけないと思い込んでいたようです。

 

私大入試までもう2か月をきっていました。

どんどん下がる成績にもう時間はありません。

科目を絞ることが大事だと思いました。

そして私は長女に私大のパンフレットを見せました。

見せたのは関関同立のパンフレット。今まで見ていた大学と違って豪華で美しいキャンパスの写真に長女はすごーいと目を輝かせていました。

関東には出せないので関西になったのですが、いくら私大でも関関同立以下の私大には行ってほしくないという思いがありました。そこにはこれほどまでも真面目に勉学に取り組んできていたから少しくらい報われてほしいという私の思いでしょうか。

 

大学選びは本人がするものというのは当然ですが、ある意味理想論です。

長女のように途中でどんどん進路が変わっていってしまう子には、直前で変えなければ行けない事もあります。そんな時に本人がたくさんの大学を一つ一つ調べている時間なんてないのです。そこで親の登場です。親が調べてあげるんです。ものすごく時間がかかる作業です。親がいくつか候補を出しあとは子供に選ばせたらいいのです。そうすると一応最終的には子供が自分で選んだことになりますから。

 

長女はパンフレットを見て、私心理学に行きたいと言いました。

パンフレットに白衣を着て病院で精神科に勤務し、発達障害の児童とかかわっている方の記事がのっていました。この大学では公認心理士や認定心理士などの資格がとれると書いてありました。ずっと病院で働きたいと思っていた長女にピッタリだったのです。

しかし、長女が見た大学の心理科学部は文学部にありました(笑)

理系にいるのに文学部受けるの?長女と笑いあったのを覚えています。

受験科目は3教科。英語、国語(現代文・古文)文系数学(IA、ⅡB)です。

これなら今からでも間に合うかも・・・

長女にわずかに希望が出てきました。